広告費用は「売上全体の10%まで」が正しいか?

経営戦略

広告費用を「売上全体の10%まで」と決めてしまうのは危険

広告費用は「売上全体の10%まで」という目安があります。

果たしてこれは本当に正しい基準なのでしょうか?

実は安易に売上全体の10%までと決めてしまうことで、事業を伸ばすチャンスを自ら失うことになりかねません。

広告費をいくらにするかは、「広告費をいくら投下して、〇ヵ月後には回収でき、それ以降は○○○万円利益が出る」という収益の計算をして、はじめて求めることができます。

この計算をしないで「売上全体の10%まで」と決めてしまうのは危険です。

広告費を売上全体の10%と決めてしまうリスク

まず広告費を売上全体の10%と決めてしまうリスクについて考えてみましょう。

広告費を売上全体の10%と決める方法は、計算が楽でとても簡単に予算を決められます。

それだけに落とし穴があることを知っておかなくてはいけません。

それは目標売上を達成できなかったときや、過度な値下げで何とか売上をクリアしたときです。

この場合、予定していた粗利益額を割ってしまうという事態が起きてしまいます。

広告予算を売上全体の10%と決めた場合、販売する商品・サービスの粗利益率を算出し、損益分岐点を計算しておきましょう。

仮に1000万円の売上予定で広告予算を10%と定めたケースで、最低限クリアしたい粗利益率が25%ならどうでしょう?

広告費から割り出す損益分岐点売上高の計算式は

・広告費÷粗利益率

なので、次の通り求めることができます。※目標利益を足して計算する場合は(広告費+目標利益)÷粗利益率

・100万円(広告費)÷25%(粗利益率)=400万円

上記条件なら400万円が最低限クリアしないといけない売上高になります。

予定通り1000万円の売上を達成すれば、150万円が利益となる計算です。

逆にいえば、1000万円の売上を達成しても、粗利益率が10%を切れば赤字ということです。

広告費100万円の粗利益率9%のときの損益分岐点売上高

・100万円(広告費)÷9%(粗利益率)=1111万円

広告費と粗利益率の関係で考えると、粗利益率の低い業種は「売上全体の10%まで」と考えるのが妥当かもしれません。

ですが利益の高い業種の場合「売上全体の10%まで」に広告予算を限定してしまうと、逆に顧客獲得チャンスを逃す可能性が高くなるといえます。

もっと広告費を投入して、顧客を獲得する方が利益を最大化することができます。

広告費用はライフタイムバリューまで考えて設定する

しかしここで考えなくてはいけないのは、新規のお客様が継続して購入してくれる期間です。

これをライフタイムバリューといいますが、新規購入から平均リピート期間の数値を出すことで、投入できる広告の上限を求めることができます。

たとえば整体院が1回5000円の新規患者様を獲得するのに、1万円の広告費を掛けたなら完全な赤字です。

これでは広告費を投入することはできません。

ですが、新規の患者様が半年で平均6回通って下さるとすると、売上は3万円となります。

整体院の粗利益率が60%だとすると、

・3万円(売上)×60%=18000円

と余裕で広告費を回収できることになります。

損益分近点で計算するなら

・1万円÷60%=16666円

で、4回目の通院の時点で広告費を回収できる計算が立ちます。

利益の出る範囲を知ることで適正な広告費用を割り出せる

ここで重要になるのは、新規で獲得したお客様が平均どれくらい継続して購入していただけるかの期間です。

整体院の例でいえば、4回目の通院で広告費を回収し、それ以降も継続して通ってくださればあとは利益となります。

逆に通院3回目で離脱してしまえば、広告費を回収できずに赤字となります。

しかしこの院では患者様は平均6回継続して通っていただけます。

ならばこのモデルの範囲内であれば、いくら広告費を投入しても利益は出るということです。

ということは、いくらまで広告費を投入するかは、「売上全体の10%まで」という基準で決めても意味ないことがわかります。

それよりも、お客様が新規で購入してから平均で購入してくれる期間を調べ、1件あたりの新規顧客獲得単価(CPA)と継続顧客獲得単価(CPO)をかけても、利益が出るビジネスモデルになっているかを把握することが重要なのです。

ですので、キャッシュフローがきちんと回るなら、売上の20%だろうが30%だろうが広告費を投入しても問題ないのです。

大事なのは、「広告費を〇〇〇万円投入しても、〇ヵ月後にはその額を回収できて、それ以降は利益が出る」と理解しておくことです。

この数値を把握していれば、安心して広告費を投入することができます。

利益が出ればさらに広告費を投入して、顧客数を倍々で増やしていけます。

こうして利益は最大化され、ビジネスは成長の軌道に乗ります。

逆に広告費を「売上全体の10%まで」と決めてしまうと、顧客獲得の機会損失につながりかねない危険性があります。

まとめ

広告予算は「売上全体の10%まで」と決めるのではなく、新規の顧客を1件獲得するのにいくらまで広告費を投入できるかを設計することが先です。

そのためにはお客様の継続購入期間はどれくらいかを求める必要があります。

反対にいえば、買い切りのリピートがないもの(住宅など)の場合、この計算式は使えないことになります。

広告費用は「売上全体の10%まで」でなくてはいけないわけではりません。

それよりも利益の出るラインまで考えて、最適な予算を設計しましょう。

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