人手不足を嘆く前に労働分配率で適正人数を求める

求人対策, 経営戦略

店舗の最適な人数は?

店舗を運営するうえで人員配置は問題です。

何人配置するのが適正か、それを求めなくてはいけません。

人手不足が進行し、求人を出してもなかなか採用にならないことを考えれば、配置人数の最適化は必須の課題といえます。

そこで決めておきたいのが「労働分配率」です。

労働分配率を決めておくことで、店舗スタッフの最適な人数を割り出すことができます。

適正な人員数の把握に労働分配率を使う

店舗にいったいいくらの人数が適正かを判断するのはなかなかむずかしいものです。

一日の中でも、ある時間は混んでいて人手が足りないように感じますし、あるときは暇で人数が余っているようにも感じます。

このようにお客様の人数に合わせてしまと、どこに基準を合わせればよいかわからなくなってしまいます。

そこで指標にするのが「労働分配率」です。

労働分配率とは付加価値に対する人件費の割合のことです。

付加価値などといわれると何のことだかさっぱりわからなくなりますが、ここでは粗利益にします。

要は、粗利益に対して人件費がいくらかかっているか、その割合のことです。

・労働分配率:人件費÷粗利益×100

仮に粗利益が100万円で人件費が60万円なら、

・60万円÷100万円×100=60%

となります。

後はこの60%が高いか低いかを判断します。

簡単にいえば、労働分配率が高ければ人件費のかけすぎ、労働分配率が低ければ効率的に利益を生み出しているといえます。

ただし、低ければよいというものでなく、低すぎるのはただ単に給与をケチっているだけか、あるいは低すぎるとスタッフの手が回らなくなって品質が落ちるという危険性があります。

この労働分配率を設定し、人員を配置します。

そうすると、人件費が多くなり過ぎたり少なくなり過ぎたりすることを防げます。

たとえば3000万円のあるお店で、労働分配率を40%に設定したとします。

そうすると人件費の予算枠は1200万円となり、この金額内で、社員やパート・アルバイトを配置していきます。

労働分配率の目安は?

労働分配率の目安は業種によってさまざまです。

一概に何%が正解とはなりません。

一応の目安としては、労働集約型が70%~60%(コールセンターなど)、資本集約型が30%程度(製造業など)、標準が50%~40%といわれています。

業種にもよりますが、粗利益が低いのに人件費の占める割合が高いお店は、スタッフの数を絞る必要があります。

反対に粗利益が高いのに人件費が少ない場合は、サービスや商品の品質が下がってないかを疑った方が良いかもしれません。

労働分配率を求める

ではざっくり計算してみましょう。

1億円の売上げの店舗で粗利益率が30%の場合、粗利益額は3000万円です。

このとき人件費が1600万円かかっていたら、労働分配率は約53%になります。

この店舗が標準的な業種であれば、労働分配率が高めというサインです。

労働分配率を50%に定めるなら、100万円の人件費削減が必要になります。

労働分配率を使うと逆算して求めることができる

労働分配率を設定すれば、人件費から稼がなくてはいけない粗利益額を逆算で求めることができます。

仮に2000万円の人件費で労働分配率を45%に設定している場合は、

・目標粗利益額:2000万円÷45%=4444万円

となります。

そこから必要な売上高を求めると、粗利益率が30%なら

・目標売上高:4444万円÷30%=1億4813万円

と求められます。

同一労働同一賃金で人件費はアップする

人件費ついでに、ちなみに中小企業の場合、2021年4月から「同一労働同一賃金」というルールが新たに導入されます。

同一労働同一賃金とは、職務内容が同じであれば(=同一労働)、同じ額の賃金(=同一賃金)を従業員に支払うべきという待遇改善のための制度です。

具体的には、パートタイム労働者、有期雇用労働者、派遣労働者(非正規雇用労働者)について、通常の労働者(正規雇用労働者)との間の不合理な待遇差を解消すること目的としています。

【弁護士監修】同一労働同一賃金で、企業はいつどのような対応が必要?

2021年4月以降は、同じ職務内容なのに、パートだから契約社員だからという理由だけで、正社員と待遇に差をつけることは禁止されます。

待遇差をつけるのであれば、納得できる合理的な理由が必要になります。

つまりこれからは、人件費削減の目的でパート社員・契約社員・派遣社員を利用することはむずかしくなるということです。

そうなると適正な労働分配率を保つためには、全体の人件費を低く抑えるか、多めの人件費を支払っても目標とする粗利益を確保できるよう、作業効率を改めなくてはいけません。

人手不足が進んで人件費も新たなルールの導入で高騰となると、作業効率を高めるツールの導入や工夫がますます求められます。

まとめ

労働分配率による最適なスタッフの人数の求め方を解説しました。

人手不足の現在は人を確保することが大変むずかしくなっています。

労働分配率から人員数を導きだすことは、お店の利益から適正な人数を割り出すことでもあります。

労働分配率を出してみれば、もしかしたら人件費が多いということがあるかもしれません。

そんなときは人を採用することよりも、作業の見直しなどが有効です。

労働分配率を算出して、適正な人数を求めましょう。

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